OSB(Oriented Strand Board-オリエンテッド・ストランド・ボード)は、北米で住宅の構造用下地材として開発された面材であり、ストランド(細長い削片)を向きを揃えて並べて(オリエンテッド-配向性)作られたボードを互いに直交させて層をなした面材のことをいいます。
原料である丸太を削片にし、これを接着剤で高温圧縮して再構成することによって、原木の利用範囲を拡大し、製材として利用不可能な材を加工することで節、繊維傾斜等の木の持つ欠陥がカバーでき、なおかつ、パネル状にすることで一定の強度を保つことができます。
その用途として、構造用面材(ダイアフラム*を利用)や住宅・大規模木造建築物の屋根、壁及び床の下地材として幅広く使用されています。また、内装用仕上げ材としても、そのユニークな表面表情を利用して使用される事例が近年増えています。その他には、面内せん断性能が高い(構造用合板の2~3倍)という特性を活かして、I ジョイストのウェブや複合構造用断熱パネル(SIP)にも使用されています。
OSBは、1956年に開発され、原木コストの上昇、合板適材の供給量の低下に伴い、1980年代初頭には構造用面材の1%であった生産量が現在では75%に急増しています。
原材料にはアスペンやポプラなどの広葉樹とロッジポールパインやサザンイエローパインなどの針葉樹がありますが、APAで扱っている日本向けカナダ産OSBは、40~70年で伐採される小径木で早期自然再生可能な広葉樹アスペンが一般的です。
材料調達には、CSA(カナダに5,200万haの認証林)、FSC(北米に3,900万haの認証林)、SFI(北米に6,000万haの認証林)の持続可能な森林認証プログラムがあり、安定供給を行っています。
OSBの構成要素は、一片の大きさが、幅13~19mm、長さ70~130mm、厚さ0.6~0.7mmの短冊状の削片(ストランド)です。ストランドを作る時に出る廃材や樹皮は燃料として利用されるので、原木歩留まりは90%近くになります。生産に関わるバイオマスエネルギー*比率は70%に達します。
*バイオマスエネルギー:バイオマスから得られるクリーンかつ再生可能なエネルギーを指します。バイオマスには伐採された原木、枝や根などの残留物、農業廃棄物、家庭や産業の有機ゴミ、エネルギー作物などがあります。
工場は24時間稼働で、製造ラインも大きく9x24フィート(2,745x7,320mm)または12x24フィート(3,660x7,320mm)のサイズのOSBが製造されています。大盤から使用サイズに切断できるので、特注サイズも可能で、設計のバリエーションが広がります。
ストランドは繊維方向の向きを揃えて、それを直交に積層しボードにします。表層をパネル長手方向に配向、芯層はそれと直交させて配向させます。3層から5層で構成されています。配向することで繊維方向の強度を最大限に利用しています。
カナダ産OSBでは耐水性・耐久性に優れたバインダーを使用しており、表層にはフェノール樹脂接着剤が、芯層には”イソシアネート系樹脂接着剤”が用いられています。特に”イソシアネート系樹脂接着剤”はホルムアルデヒドを含まないので、カナダ産OSBはF☆☆☆☆の認定を受けています。
表示の区分 | 平均値 | 最大値 |
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F☆☆☆☆と表示するもの | 0.3mg/L | 0.4mg/L |
F☆☆☆と表示するもの | 0.5mg/L | 0.7mg/L |
F☆☆と表示するもの | 1.5mg/L | 2.1mg/L |
F☆と表示するもの | 5.0mg/L | 7.0mg/L |
日本では、1987年に制定されたOSBの規格「構造用パネルの日本農林規格(JAS)」があります。 また、パネル表面にはAPAの性能基準を合格したスタンプが押されています。(内装用に使用される場合は、サンダーがけを施すため、スタンプはありません。)
OSBはすべて輸入材で、60~70%はカナダ産です。日本におけるカナダ産OSBの入手先: